おしゃぶり癖が及ぼす影響
おしゃぶりにもさまざま
育児中のお母さんやお父さんの中にはお子さんにおしゃぶりを与えている人も多いのではないでしょうか。最近ではデザインがおもしろいおしゃぶりや、首から下げるひものついたおしゃぶりなども販売されているようです。
では、おしゃぶりは歯並びなどに影響はしないのでしょうか?
おしゃぶりのメリット・デメリット
一般的に言われているおしゃぶり使用のメリットとデメリットをまとめてみました。
メリット
- すぐに泣きやむ
- すぐに眠る
- 落ち着く
- 親の子育てのストレスが減る
- 機嫌が良くなる
などがあります。
おしゃぶりを与えると鼻呼吸になるので、アレルギーや喘息になりにくいなどの意見もあるようです。
デメリット
- 長期間の使用で噛み合せが悪くなる
- なぜ泣いているのか考えないで使用する
- ふれあうことが減る
- 言葉をかけることが減る
- 発語の機会が減る
6ヶ月ぐらいの乳児になると興味があるものなどなんでもお口へもっていってしゃぶるようになります。この行動は、手と目の協調運動の学習だけではなく、いろいろしゃぶることにより味や形、性状を学習しているのです。
しかし、おしゃぶりを使用していると手でつかんだものをお口へ持っていくことが出来ず学習の機会が奪われることになります。
また、一度使用すると長時間にわたり使用する傾向があります。
そのため、発達に必要な機会が失われるのではないか?という意見もあるようです。
おしゃぶりの癖による歯並びへの影響
1.開口
奥歯で噛んでいるのに前歯では噛んでいない状態。
口が閉じにくかったり、上手くものが噛めないことがあります。
2.上顎前突
前歯のみが前突している状態。一般的に出っ歯と呼ばれています。
3.乳臼歯交叉咬合
上の歯列の幅が狭くなり奥歯の咬み合わせが横にずれる状態。鏡で見てみると上下の前歯の真ん中がずれています。
おしゃぶりが歯並びに影響するのは、乳歯が生えそろい、乳臼歯交叉咬合や開口などの噛み合せの異常が存続しやすくなる2歳半ぐらいから3歳以上になってもおしゃぶりを使用している場合です。
注意すること
歯並びの面から考えるとおしゃぶりはできるだけ使用を避けたほうがよいといわれていますが、もし使用するのであれば次の点に注意しましょう。
- 言葉を覚え始める1歳を過ぎたぐらいには常時使用しないようにする
- 遅くても2歳半までに使用を中止するようにする
- おしゃぶりを使用している時も一緒に遊んであげたり、声をかけてあげたりして親と子のふれあいを大切にする
- 泣いているからといっておしゃぶりを使用して泣き止ませる手段にしないようにする
- 4歳以降になってもおしゃぶりが取れない時は、かかりつけの小児科医に相談するようにしましょう。
発音にも影響が
おしゃぶりを長期間使用するのと同様に、指しゃぶりを3歳から4歳を過ぎても続けていると歯並びが悪くなったり、発音に影響がでてきたりします。
子供にとってよい環境を作ってあげ、外遊びなどで社会性を豊かにすることで3歳ぐらいまでには指しゃぶりも卒業することが好ましいでしょう。