インプラントの前に根管治療で歯を残そう!     

秩父臨床デンタルクリニック

栗原仁 先生

 

いきなりですが、この文章を読んでいる方へ、質問です。

ブリッジ、小さな入れ歯、インプラントを入れている、20代~50代の方へ…

歯を失った原因は、一度根の治療をした歯が再び虫歯になって歯がボロボロになったから抜歯。

または、、歯の根の先に膿がたまって治らないから抜歯。だったのではないしょうか?

さらに、どちらかというと、歯の根の先の膿が治らなかったから抜歯になった方の方が多いのではないでしょうか?

歯を失うと、通常であれば、ブリッジ、入れ歯を入れます。

ブリッジの柱となる歯、入れ歯の金具がかかる歯、悪くなっていませんか?

虫歯になっていませんか?

膿たまっていませんか?

揺れてきていませんか?

そんな悪循環になっていませんか?

 

または、、

 

そうならないようにインプラントを勧められませんでしたか?

 

この悪循環の原因は、一本の歯が抜けたこと…さらに言うと、根本的原因は、その歯の根の先に膿がたまってしまったことです。なぜ、膿がたまってしまったのでしょうか?

それは、歯科医師の根の治療の不成功によるものや、被せ物が合ってなく、感染をおこしたもの、また、患者さん自身のメインテナンス不良での虫歯などの感染によるものです。すべての根管治療が成功するわけではありませんが、歯科医の努力次第で根管治療の成功率は上げることは可能です。

周囲の歯が悪循環に陥る前に、1本の歯を抜けないように残す努力をする!

それを言葉に表したのが、『インプラントの前に根管治療で歯を残そう!』なのです。

 

当院で、一本の歯を残す努力をしてみませんか?

 

 

インプラントはリスクを伴う治療

ここ10年は歯科のブームとして、悪そうな歯は抜いてインプラント!という風潮がありました。しかし、すでに、アメリカのインプラント市場は減少傾向にあります。アメリカでは現在、インプラント市場よりも根管治療の市場の方が大きいのです。歯をすぐ抜いてインプラントの全盛時代は世界的に見ても終わったのです。

では、なぜインプラント全盛の時代が終わったのでしょうか?

インプラントは万能ではなく、すべてのインプラントが万能ニ機能するわけではないのです。もちろんトラブルなく一生使えるわけではありません。インプラントは、高価な異物なので対応が非常に大変なのです。様々な理由がありますが、そういったことも理由の一つだと思います。

 

 

十分な検証がされないまま臨床が先行するのがインプラント

著名なインプラントの先生のお言葉 『インプラント3段論法』

インプラント三段論法 1

    大前提:非自己(異物)は体に排除される

    小前提:インプラントは非自己(異物)

    結論 :ゆえにインプラントは体から排除される

 インプラント自体が新たな病態なのです。インプラントを入れた時点で病気と向き合うのです。インプラントは最新で最良の治療でないことを理解し、患者さんはインプラントに過度な期待はしてはいけません。それを理解し患者は治療に臨むのが良いと思います。

 インプラントは探り探りの治療です。完成完治はありません。そもそも、インプラントは治療後も予想がつかないことが多いのです。何か悪いことが起きても様子を見ることもあります。対応可能であれば、再治療することもあります。インプラントを抜くこともあるのです。

 当院にも他院のインプラントでトラブルを抱えた患者さんがいらっしゃり、後処理を行っております。インプラント周囲炎など、非常に対応するのに困惑しています。また、当院の患者さん(看護師)が私に教えていただいたことがあります。

患者「インプラントは凶器です!」

介護の現場では、インプラントが寝たきりの患者さんに大きなダメージを与えているということです。口の中に残った下のインプラントが上の歯茎に突き刺さり出血させている、また、インプラントの根元の歯茎の出血も治まらない。自分の歯ではないので抜くに抜けない状況(場合によっては天然の歯よりもくっついてしまう)で、どうすることもできない、医師も頭を抱えていると、インプラントに対して憎悪の感情をいだいていました。その患者は、20年ぐらい前にインプラントを入れたとのことでした。このやり取りで思たことは、私が受けた大学での教育では90%のインプラントが10年持ちますしか教わっていなかったということです。インプラントを入れて、20304050年後の管理、予後については教育を受けていなかったのです。このことが、こういった事故の原因の一つになっていると思います。

 インプラントは今後老後のリスクとも戦わなければならないと思っています。インプラントは自分の歯のように咬めるというメリットはありますが、うまく付き合えないと凶器になってしまう可能性もあります。患者さんも歯科医師も、3040年単位で予後を考えていかなければならないと思います。場合によっては、寝たきりになる前にインプラントを抜くという選択も必要になるかもしれません。患者さんもこのことを理解したうえで、インプラントに臨むべきです。

 

インプラントの前に根管治療で歯を残そう!

なぜ、インプラントになってしまうのでしょうか?それは、なんらかの理由で歯が抜けてしまったからです。抜く前に何とかならなかったのでしょうか? まず、歯を抜くことになってしまった原因の多くは

 ・歯周病によるもの

・虫歯によるもの

・歯の破折

がほとんどです。歯周病に関しては、今回は述べません。しかし、私はもともと歯周病科出身なので歯周病になった歯を残す治療が得意ということだけ述べておきます(笑)今回は、虫歯によるもの、歯の破折によるものについて説明します。虫歯によるもの、歯の破折はクオリティの高い精密根管根管治療でカバーできます。虫歯が悪化し再治療を繰り返すと根尖性歯周炎という病気になります。

根管内異物

() ↑根の先の黒いものが根尖性歯周炎(根尖病変)

これが治らなければ、抜歯になってしまいます。クオリティ高い精密根管治療はそもそも根尖性歯周炎を高い確率で防ぐことができます。歯の破折は主に根管治療において、健全な歯をより多く削ってしまうことで、歯はもろくなり、破折してしまいます。破折したら基本は抜歯となってしまいます。マイクロスコープ、ニッケルチタンファイルを使った精密根管治療は歯の余計な削合量を抑えることができます。歯の削合量を抑えれば、歯の破折リスクを下げることができます。歯に不安を抱えたら、すぐ抜いてインプラントではなく、歯が抜けないように早い段階で、精密根管治療のような適切な治療をすれば、より自分の歯を残すことが可能です。

 ()状態が悪いのに放置していた歯、メインテナンスを全く受けていない歯などは残すことは不可能だと思います。自分の歯を残すには歯科医師と患者双方の努力が必要です。

 

 

抜歯から非抜歯へ…

歯が弱くなったら早めに抜歯して、インプラントを入れて、自分の歯のように噛む…それが最新で最良の治療だと思っていませんか…?

 インプラントとは歯のないところにチタンを埋め込み咬めるようにする治療です。インプラント体のチタンは異物です。しかし、オッセオインテグレーションという現象を利用すると、チタンは、体となじみ、共存できるようになります。共存できたら、チタンに人口の歯を合体させて自分の歯のように咬ませます。これがインプラントです。

 しかし、インプラントの機能=自分の歯の機能 ではありません。

アメリカではインプラントは歯の代わりになるものではないと言われています。あくまで、なくなった歯の代わりになる物という認識です。神経を失った歯でも、基本的には自分の歯として機能します。歯の中の神経は死んでしまっても、歯の周りをコーティングして、クッションの役割をしている歯根膜が生きているからです。この歯根膜が、物を噛むうえで非常に有効に作用するのです。

 しかし、インプラントには歯根膜は存在しません。ここが、インプラントが自分の歯に絶対に敵わないところです。チタンインプラントは万能ではありません。すべてのインプラントが機能するわけでもありませんし、そして、一生使えるわけではありません。また、インプラントを綺麗に管理できない状態(寝たきり状態など)になってしまうと、本当に悲惨なことになってしまいます。

 インプラントを否定しているわけではありません。

まだ、治療すれば残せる歯を、治療せず、すぐに抜いてインプラントにしてしまうのは疑問があります。それは、、歯科医師の使命は自分の歯を残すことだからです。自分の歯を残せるように歯科医師が努力して努力して、それでもだめであればその時初めてインプラントを考えるべきだと思います。インプラントは患者さんに手術時に大きな負担を与えることになります。ご存知かと思いますが、手術時の事故も多く報告されています。

インプラント手術はリスクを伴います。

完全に安全な治療とは言えないのです。

根管治療は自分の歯の治療、そして外科治療ではないので非常に安全な治療と言えます。

まず、可能であれば、根管治療を試し、

できる限りインプラントにする時期を後へ後へとするのが良いと私は思っています。

 

 

日本の保険診療での根管治療の成功率は40%以下?

1.根管治療の成功(Sucsess)と失敗(Failure)とは?

成功:根管治療後にX線写真上で根尖病変と歯根膜の拡大が認められない場合のみ

失敗:上記以外

根尖部腫れ

上の写真は、失敗症例です。左の歯の根の先に根尖病変(黒く丸い物)が写っています。成功失敗の定義は1956年のStrindberg´s  Criteriaの論文から抜粋しています。非常に有名で意義のある論文なので、これを基準に現代のDrたちも根管治療の成功失敗の判断をしています。

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左の図は平成21年保険診療請求全国のデータは、2005年~2006年のデータを元に作られました。歯の種類別の初回根管治療(抜髄)の失敗率を表したデータです。平均すると日本では約60%以上が失敗しています。このデータは非常に信用できると思います。実際の臨床の場でもほぼ同じ状況だと思います。日本の保険の根管治療は燦々たる結果ですよね…この結果をみると日本で根管治療したくなくなりますよね…ちなみに、アメリカの専門医が行う初回根管治療(抜髄)の成功率は90%以上と言われています。

 

 

日本とアメリカの成功率の違いの背景

首相官邸のホームページによると各国の根管治療料金(医院がいただける金額)は、

アメリカ   約110000円

イギリス   約93000円

カナダ    約53000円

フランス   約44000円

スイス    約36600円

ドイツ    約15000円

日本     約5800円

 

これが何を意味するのかです。この金額の内訳はおおよそ人件費、材料費と考えて良いと思います。人件費に関しては世界各国そこまで大きな開きはないかと思います。となると材料費に大きな違いが出ていると言う事です。一般的に医院がいただく料金の算出方法は材料費の約3倍以上が平均的だと思います。ですので、アメリカは一歯の根管治療で約3万円以上の材料を投入可能ということです。と考えると、日本の保険診療で材料に投入できる金額はアメリカの10分の1以下のコストで行わなければならないのです。

これが日本の歯科界が抱える根管治療の問題です…

このような状況なので、アメリカと日本の根管治療(抜髄)の成功率には大きな差があります。

アメリカの根管治療(抜髄)の成功率は90%以上で、日本の根管治療(抜髄)の成功率は40%未満です。

しかし、日本の歯科医師たちは制限のある中頑張ってきたと思いませんか?見方を変えれば、10分の1のコストで40%成功してきたのです。根の治療後痛みがなかなか治まらない、治療期間が長すぎる、違和感がなかなか治まらないといったものも、制限下ではいたしかたがないことだとも思います。

(注)当院の使用している材料は?現時点では精密根管治療は保険診療で行っていますが、アメリカの専門医に準ずる機材と材料を使用しています。

※今後マイクロスコープを使った精密根管治療は自費診療に移行する可能性はあります。

 

 

アメリカの初回根管治療は

成功率90%???

日本とアメリカの保険制度には違いがあるのをご存知ですか?日本の保険制度は単一で、加入すればすべての人が同じ金額で平等な診療を受けることができます。(歯科医師によって技術は違いますが…)アメリカでは加入する保険によって、受けられる治療は異なってしまうのです。日本では保険加入者の100%の人が根管治療を受けることができますが、アメリカで根管治療を受けることができるのはランクの良い保険に加入している人だけなのです…

根管治療が受けることができないアメリカ人(実はかなりの多くの人たちです)は、

虫歯が神経まで浸食されたら、即抜歯歯が痛くなったら、即抜歯

なのです。アメリカでは、痛みのある歯を、歯を抜かずに治すとは非常に費用のかかる治療なのです。アメリカの65歳以上の総入れ歯を入れている割合が、日本よりもかなり高いと言われているのはこういった背景があるからです。

 

アメリカは世界一の医療水準?

アメリカの根管治療のレベルは世界一と言っても過言ではありません。しかしその最高水準の治療を受けることができるのは、一部の人間ということです。

はたして、本当の意味でアメリカは医療の質は高いのでしょうか?治療成功率90%は、どのように解釈をすればよいのでしょうか?非常に難しい問題だと思います。

日本では1歯、奥歯であれば初回治療で約6000円、その後の治療は一回約400円、医院はいただくことができます。(患者さんはその3割負担)

しかし日本の保険制度で、アメリカ式のベストオブベストの治療をおこなってしまと医院が赤字を抱えてしまうという問題が生じます。また、根の治療が長引くほど赤字になってしまいます。多くの医院は保険制度のなかで、患者さんからいただく金額の中でできる限りのことをします。そのような背景が、日本の根管治療の成功率が低い理由の一つだと思います。

しかし、、、、しかし、成功率40%でも…日本では保険に加入すれば、すべての患者さんが歯を残す治療(根管治療)を受けることが可能です。

そう考えると、日本の根管治療はなんとか頑張ってきたとも言えます。

 

 

 

歯科医師の使命は

患者さんの歯を残すことに

努力をすること!

前の項目で、日本の保険制度での根管治療の平均成功率は様々な事情で低く、それは、仕方のないことだとお伝えしました。

しかし…実際は…

失敗した根管治療の歯を再治療してもその歯を残せる可能性はかなり低くなります。仮に自分が(副院長松田)が根管治療をうけるとなった場合……………。…………。

 

成功率40%以下の根管治療は受けたくありません!!自分だったら、成功率90%の根管治療が受けたいです。そのために、東京の根の治療の専門医の医院に行くと思います。結局その方が長い目で見て、治療が安く済ませられることを歯科医師は知っています。もちろん、自分の家族、友人にも成功率の低い根管治療は受けさせたくありません!

すべての歯科医師が、

根管治療の成功がより自分の歯の寿命を延ばせることを知っているからです。

 

私(副院長松田)だって自分の歯は可能な限り残したい!という願望があります。本音を言うと自分はインプラントをしたくありません!可能な限り自分の歯で咬みたいです、だからこそより質の高い根管治療を受けたい。私の使命は、行田の患者さん、地域の患者さんの歯をより残すことに努力することです私は結婚し、2012年からに行田に住むことになりました。今後もずっと行田に住むと思います。自分は行田人です。となれば、、行田の人には、もっともっと、自分の歯で咬んでほしい!自分の歯を残してほしい!自分の歯を残すことの素晴らしさを知ってほしい!という思いがあります。

私は、様々な国内外の根管治療の研修プログラムを修了しました。私は、質の高い根管治療を行田で提供することができるようになりました。行田の方々にもっともっと根管治療の素晴らしさを知ってもらえたらなと思います。

そして最終的には、行田市の方々は他の地域の方々より、自分の残っている歯の本数が多いと、言われたいですね(笑)

患者さんが、「自分の歯を残したい!」という私を同じ思いを持っていれば、精密根管治療も一つの選択肢だと思います。

 

 

 

埼玉県行田市坂詰歯科医院(熊谷,羽生,鴻巣,桶川,北本,加須,深谷,蓮田,久喜,伊奈町,東松山市,館林,太田,佐野,蕨,川口,さいたま市からも来院)が歯を抜かない根管治療(根の治療)、マイクロスコープを使った保険診療の根管治療(神経の治療)、ラバーダム防湿、長く続く痛み、外科的歯内療法(マイクロスコープを使った歯根端切除術)、直接覆髄、間接覆髄、MTA治療を解説。担当Drは川口市(蕨市より)出身。インプラントの前に治療で歯を残そう。